両親の言葉
この度は、私たちの娘、祐綺(ゆき)を救うために多くの方々のご尽力を賜り、本当にありがとうございます。そして何より、大切な時間を割いて「ゆきちゃんを救う会」を結成してくださいました有志の皆様、心から感謝を申し上げます。
祐綺は2016年1月に産まれました。元気な産声をあげ、兄弟たちと成長していく姿が楽しみな日々でした。
生後3カ月の時、予防接種を受けた次の日に顔色が真っ白になり、苦しそうな呼吸をしていました。すぐに病院を受診すると、福島県立医科大学附属病院へ搬送され、ICUでの治療が始まりました。左心室が大きくなって血液を循環させるポンプの機能が弱っていてる状態でした。「心筋炎か心筋症」と診断を受けました。その後内科的治療で一時は回復し一般病棟へ移ったものの、また悪化してしまい、ICUへと戻ってしまいました。良くなっている時は、きっと大丈夫。退院して家族みんなで暮らせる日が来る!と希望を胸に抱いてましたが、悪くなる時は、祐綺に明日が来ないかもしれない‥と弱気になり不安な毎日を過ごしていました。
私たちには4年前のことが頭をよぎりました。
第一子となる長男は、生後7ヵ月の時に劇症型心筋炎になりました。その後回復し退院したものの、心筋炎後心筋症で1歳4ヵ月の時に私たちの元から旅立ちました。たった1年4ヵ月しか一緒にいれなかったこと、日に日に弱っていく姿を見て何もしてあげられなかったこと、我が子を失った悲しみと後悔はこの先も一生忘れることはありません。
祐綺が心臓の病気と言われた時、この子も私たちの元からいなくなってしまうのではないかという不安でいっぱいでした。医師から心臓移植しか道はないと言われ、祐綺を失いたくない、何としても助けたい、その一心でした。
大阪府の病院へ転院後、拡張型心筋症の診断を受け、小児用補助人工心臓(EXCOR)を装着し、国内での移植を待機していました。小児用補助人工心臓は、血栓による脳梗塞や血栓を防ぐための薬による出血のリスクが高く、常に命の危険と隣り合わせです。また、装着が長期になるにつれリスクが高くなることも分かっています。
国内での小児の心臓移植は2010年に法改正されましたが、6歳以下の心臓移植は2016年9月までに4例と限りなく少ないのが現状です。国内で待機することも考えましたが、小児用補助人工心臓を着けている祐綺の状態を考えると少しでも早く心臓移植をうけさせてあげたいと思い、海外での移植を決意しました。
そのような中、多くの先生方のお力添えでアメリカのコロンビア大学病院で受け入れていただけることになりました。
しかし、海外での移植は莫大な費用が必要で、とても私たち家族だけではまかないきれず、皆様へご協力をお願いして助けていただくしかありません。
祐綺は毎日たくさんの刺激を受け、成長しています。これから先の未来も娘に生きてほしい、そして家族一緒に暮らせる日がくることを願っています。大変勝手なお願いであることは重々承知しておりますが、娘に生きるチャンスをください。
どうか皆様の温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
中川西純一、かおり